上杉:ぼくの役、重田の心情としては「アキじゃなくちゃ意味がない」と思っている。アキがいた時の「ECHOLL」というバンドが好きだったわけで。ただ、やっぱりひとつのバンドをやってきた人として、颯太が作る音、颯太が引っ張っていくバンドの音というものに、重田という役でもそうだし、上杉柊平個人としても惹かれるものがあったから、自然とそこには前向きになる、もう一度バンドをやっていこうという気持ちが現れる。それをいつのタイミングにしようか、というのは監督とすごく話していて。どこのシーンだったかな。颯太が1人でピアノを弾きはじめて、「stand by me」という曲を歌いはじめるときに、ギターとドラムとベースがちょっとずつ(演奏に)加わっていくんですけど、そこではぼくの心情としては、まだ前向きになれてなかったんですよ。でも、叩かなくてはならない。前向きにならなければならないという状況で。そこで監督と話し合って、どうしたんだっけな。叩き始めはまだ前向きじゃなくていい、その曲の間で方向を変えていこうよ、ということになって、そこからですかね。拒絶していたものが開いたのはあそこからだと思います。
2015年にドラマ「ホテルコンシェルジュ」(TBS)で俳優デビュー。主な出演作は、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16)、「砂の塔~知りすぎた隣人~」(16/TBS)、『A.I. love you アイラブユー』(16/宮木正悟監督)、『一週間フレンズ。』(17/村上正典監督)、「ドクターX~大門未知子~」(18/EX)など。第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞した『リバース・エッジ』(18/行定勲監督)では猟奇的な演技を見せ話題を呼んだ。さらに1980年代の日本のシティポップアイコンとして世界中のDJの間でブームになっている竹内まりやの「プラスティック・ラブ」(84)を新しく解釈したMVにも出演。自身もヒップホップ・クルーKANDYTOWNのメンバーとして音楽活動をしている。本予告映像 メジャーデビューを目前に解散したバンド「ECHOLL」。